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3,211件は、全国で行われた「指導」の件数
国土交通省が2025年12月25日に発表した数字は、2023年12月13日の改正空家法施行から2025年3月31日までに、全国の市区町村が管理不全空家等に行った措置の集計です。指導は3,211件で185市区町村、勧告は378件で40市区町村でした。2025年の1年間に新たに発生した空き家の数でも、全国の管理不全空家の総数でもありません。指導と勧告を単純に足して対象の家の戸数と読むこともできません。
同じ発表では、空家等管理活用支援法人の指定は延べ95法人、64市町村です。法人が異なる市区町村から指定を受ける場合があるため、「全国に別々の95法人がある」とは限りません。支援法人の有無や役割は地域ごとに違うので、所有する家の所在地の自治体窓口で確認します。
管理不全空家と特定空家は、状態を見て自治体が判断する
国土交通省のガイドラインは、放置した場合の悪影響を、保安上の危険、衛生上の有害、景観悪化、周辺の生活環境への影響という観点から示しています。例えば屋根材の破損、壁や雨どいの傷み、腐朽した立木、水たまりやごみ、開口部の破損などが確認の手掛かりになります。ただし、写真に傷みが一つ写っただけで、その家が管理不全空家等に指定されるわけではありません。状態や周辺への影響を自治体が総合的に判断します。
「特定空家になるまでは何もしなくてよい」と考えず、軽い傷みのうちに点検と補修の計画を立てます。屋根に上がる、傷んだ室内に入る、傾いた塀へ近づくといった確認は危険です。見える範囲から記録し、危険が疑われる部分は専門家へ相談してください。
現地では、見えた状態と未確認の箇所を分けて残す

訪問日、建物の所在地、見た場所をメモし、道路側など安全に見える位置から、建物全体、屋根・外壁、門や塀、庭木の状態を撮影します。気になる箇所は全景と近くから見える範囲の両方を残すと、次の訪問や見積りで比較しやすくなります。雨漏りの原因、構造の安全性、害虫の発生源など、外から分からないことは推測で断定せず「未確認」と書きます。
現地へ行けない場合は、管理を頼む人に撮影日と撮影方向を指定し、写真と一緒に「前回から変わった点」を知らせてもらいます。見える範囲の写真は相談資料にはなりますが、自治体の判定や建物診断の代わりにはなりません。
写真と通知を、同じ箇所ごとに照らす

通知に屋根、外壁、塀、庭木などの箇所が示されていたら、手元の写真を「場所・撮影日・撮影方向」で並べます。写真に写った状態と、自治体が指摘した内容は別の欄に書きます。写真が古い、角度が違う、危険で近寄れない場所なら、そのまま未確認として窓口へ伝えてください。写真だけで指導や勧告の妥当性を判定しようとせず、対象箇所と必要な対応を確認します。
補修を相談する際は、現況の全景、気になる箇所、前回との差を同じ順で見せると話が進めやすくなります。撮影のために敷地外の立入禁止場所へ入ったり、傾いた塀や破損した屋根へ近づいたりしないでください。
自治体から届いた書面は、種類と発出元から確認する
封筒と書面を残し、表題、発出した自治体と部署、担当者、日付、宛名、物件所在地、根拠条文を読み取ります。「状況の照会」「管理不全空家等への指導・勧告」「特定空家等への助言・指導・勧告・命令」を、同じ段階として扱いません。表題だけで判断しづらければ、書面にある担当部署の連絡先を自治体の公式サイトや代表電話と照合し、書面の位置づけを確認します。
国土交通省の現行ガイドラインは、管理不全空家等への指導では内容・理由・責任者を明確に示し、勧告は書面で行うとしています。特定空家等への措置は別の手続です。届いた紙を見ずに、この全国集計の数字から自分の家の扱いを推測することはできません。何の手続の、どの段階かを発出元に聞くところから始めます。
期限と報告先は、書面で確認する
一枚のメモに「書面の種類/対象の建物と箇所/指摘された状態/求められる措置/書面に記載された日付・期限/報告先」を分けて転記します。期限が書かれていなければ、全国共通の日数を補って書かず「記載なし・担当へ確認」と残します。管理不全空家等への勧告は、国のガイドライン上、特定空家等への勧告と違って相当の猶予期限を付すことを要件としていません。一方、特定空家等への命令に先立つ通知では、意見書の提出先と提出期限が示されます。自分の書面に該当する手続と期限は、発出元に確認してください。
次に、通知で指摘された屋根、外壁、塀、庭木などと、撮影日・方向を付けた写真を照らします。写真にない箇所や危険で近寄れない箇所は未確認と記し、自治体に何を、誰が、どの方法で確認・報告すればよいかを質問します。連絡した日時、担当者、回答、次に連絡する日を記録し、親族で管理を分担する場合は窓口への連絡役と現地確認役を決めます。
修繕、草木の手入れ、売却、解体などの選択は、家の状態、土地の条件、費用、家族の方針によって変わります。危険な箇所の応急対応と、その後の利用・処分の検討を分けて進めます。措置の内容や書面の効力に疑問がある場合は自治体の担当部署へ確認し、権利関係や異議への対応など個別の法的判断が必要なら専門家にも書面を見せて相談してください。
根拠資料:国土交通省の施行状況発表/現行法令・指針の一覧/管理不全空家等・特定空家等への措置ガイドライン(2026年9月3日改正)。点検の進め方は遠方からの管理も参照し、個別の措置は所在地の自治体に確認してください。
